飲食店営業許可から、惣菜営業許可を取るまでの長い道のりの実体験を振り返り用の日記にいたしました
初めて保健所に相談に伺ったときは、危険度が高いからOEMにするようにと言われます
私もそうしたいのですが、小ロットで作ってくれる所が見つけられていないので、勇気を出して、自社で製造することとなりました
また、製造許可取得までには保健所担当の方から、大変熱心に指導していただきました
毎日のように通い6ヶ月の期間を要しました(このケースは大変苦労したバージョンのようです)
自動販売機での販売を開始すると、同業他社様から思いのほか相談を多く受けることがありますので、こちらの説明を作成させていただきました
作成にあたり何も指針がなく苦労しましたので、参考程度にご利用ください
取得の経緯
私はイタリアンレストランをやっています。
コロナの時に飲食店だけの営業だとなんてもろいのだと痛感して、新たなビジネス展開を考え、事業再構築補助金と共に惣菜事業にチャレンジいたしました
レトルト食品
最初は常温保存できる「レトルト食品」をやりたいと思い、公益社団法人 日本缶詰瓶詰めレトルト食品協会の研修を受けに〒236-0004神奈川県横浜市金沢区福浦2-5-3まで行ってみた
そこでは今までの食品衛生とは違う勉強で、大手メーカーの研究室の方々ばかり来ていました。
2日間の研修 日記(私の感想ブログです)
調理師学校やハーバルセラピストの時などに勉強しましたけど、さらにレベル高いところでした。自然界最強毒!「ボツリヌス菌」との戦いの話で、フグのテトロドトキシンのナン万倍もの毒の強さということで、微量の摂取で致死量ということで、大手食品メーカーしか手が出せないことに納得させられた会でした
初期投資は最低2000万円以上で本格的に工場を建てないと無理とのことです
アイスクリーム製造許可
しかしまだまだ諦めきれず、次にはアイスクリームなら冷凍だし、安全性が高い。そして自分も食べるのが好きということで、アイスクリーム製造許可を取得しようと保健所へ
そしたらアイスクリームは「培地」ですよと
※培地:菌や微生物が成長しやすい環境のこと
糖度が高く、湿度がある。温度が整ってしまうと増殖スピードはものすごいらしい
一度溶けたアイスクリームの再冷凍はとても危険な行為です
アイスクリーマーなどもみに行っていたのにー
まぁ、専用の施設を作って衛生管理をちゃんとやれば問題ないようですが
飲食店厨房と同一厨房で作れるような安易なものではありませんでした
惣菜製造許可
ということでようやく辿り着いた「惣菜」
惣菜営業許可なら、飲食店同一厨房でも制作が不可能ではないという表現でした
といっても、初めて保健所におとづれてから、通うこと6ヶ月の期間を経てようやく取得となりました。
現在は冷凍の自動販売機での販売を開始しています
それをみて、自社でもやりたいという方が多いのでこちらのブログを書かせていただきます
惣菜営業許可取得に必要なもの
厚生労働省のページにやり方が書いてあります↓前83ページ
小規模な惣菜製造工場におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書
こちらを全てプリントアウトして、保健所の方とお話しして進めていきました
初めからここまでやってくださいねといってくれれば早いのですが、なかなか簡単には教えてもらえません。あくまでも自分で気づいてやってくださいというスタンスでしたので、予想以上に時間がかかりました
実際に許可申請までに提出した提出書類
- 一般衛生管理
- 製造工程(写真付き)
- 衛生管理申請書
例にならって、下記6点 (それぞれの事業所の状況により必要なものが変わるようです。自らの判断で衛生で安全なものが提供できるとなれば良いようです)
一般衛生管理 p5−20
- 床の清掃マニュアル
- ゴミ捨て場マニュアル
- 食品保管 p14-15
- 製品の回収廃棄 p17-18
- 食品取扱者の衛生管理
- 全てのチャックシート
製造工程(写真付き)
工程を文字と写真で表現して、知らない人が見てもわかるようにする
マニュアルを作る時と同じような感覚です
写真は全ての工程ごとに添付してください
包装状態、包装資材の縦横、厚みなども記載
同一施設内で複数の営業許可を取得するための衛生管理申請書
申請書は保健所でもらえますので、そちらに記入して提出で構いません
私は訂正が何度もあったのでWordで作成いたしました
赤字のところはそれぞれにより入力内容が異なりますので、適切な内容をご入力ください
施設図面
建築屋さんに言えば書いてもらえます。厨房施設内がわかるもの
案内図(地図)
惣菜製造施設がどこにあるのかを示すものです。GoogleマップをプリントアウトすればOK
営業許可申請所
こちらも書類も保健所の方に言えばもらえたような気がしますが、手書きで修正入ると書き直しなのが嫌で、エクセル版を使用しました
わかる範囲で記入して、あとは保健所の方に教わって書いてください
別添1工程表
各事業所により内容が変わりますので、参考の画像だけ載せておきます
また、手引書にも記入例がありますのでそちらを参考に各社に当てはまるように作成ください
別添2作業スケジュール
手引書の製造する曜日、時間帯、また製造作業内容を記載
同一厨房で製造する場合は、飲食店営業と被らない日時で作業すること
※飲食店営業をしながら、惣菜を作成することはできません
定休日に作成するか、アイドルタイムを利用するか、閉店後、開店前にやるしかない。
営業時間外での作業が求められます
製造作業の工程を記載します
別添3 動線・図面
こちらはそれぞれ違うと思いますので見本の画像を載せておきます
食材の受け入れ、保管から、調理、包装、保存、出荷までの流れを説明いたします
理想は一筆書きになるように!また、流れが同一方向にする、行ったり来たりするような同線は避けましょう
製品説明書 (加熱後に包装する惣菜)
こちらも手引書を参考に作成いたしました
参考画像まで
ちなみに添加物の名称は記載義務がありますが
作用に対しては記載義務はありません
調べていくとこんな危険な添加物を
許している保健所に対しての
ささやかな抵抗です
包装資材の説明も必要です
基本的に真空冷凍保存だと菌は繁殖しようがない。
包装資材の耐用年数だけ食品の安全は保たれるというイメージ
重要ポイントがとても重要で、こちらは何度も訂正を余儀なくすることでしょう
菌の知識に対しては、記載の必要はありませんが
これだけの知識がありますよというアピールで
載せてみましたが、ほぼスルーです
菌の繁殖をどのように抑制するかが重要ポイントなので
ここはとことん見られるところです
重要ポイント2
ラベル貼付時の製品確認
手引書を参考に作成ください p32
一例に当社のものを公開
※重要ポイント1がないのは、手引きから必要なところだけを引用した為
重要ポイント4
加熱時の製品中心温度と加熱時間なので、菌との戦いになるので特に重要な部分です
手引書の重要ポイント p34
※重要ポイント3は、金属探知機による異物混入検査などです
その設備投資はできないので、目視による検査といたしました
重要ポイント5
冷却時の製品中心温度と冷却時間
こちらも菌を増やさないための工程なのでとても重要視されるところです
手引書参考ページ:p36
重要ポイントまとめぺーじ
最後に重要ポイントをまとめて一眼でわかるようなページを作りました
製品検査記録表
- 確認日
- 確認者
- 製品名
- 検品数量
- ラベル不良
- 異物包装
- 加熱開始時間・温度
- 加熱終了時間・温度
- 冷却開始時間・温度
- 冷却後経過時間・温度
- 備考
以上を記載したチェックシートを作成
製造管理シート
製造時に温度管理が適正に行われているか管理するシートです
この資料を作るのが結構時間かかります
実際に実験を重ね、安全性を保証できるようにしていきます
タイマーの生合成や温度計のズレがないかもチェックいたします
また中心温度計は必須なのでご用意ください
放送の数だけ買って同時に図らないといけないと言われたので8本購入ボタンを押してしまいました
使っていて良かったのがこうちら↓水洗いもできて衛星も保てます
価格:2078円 |
タイマーはこうちらを使用↓
価格:1279円 |
あと必要なのが広口のじょうご
価格:2200円 |
こちらを使って、3回以上の実験の元、温度を図り、安全性が担保されるまで繰り返しました
その実験結果も添えて提出です
外気温、厨房内温度、鍋の中心外側、上段中段下段の温度差など
冷却時間、使用した氷と水の量、またその温度など
包装した商品を全て開封し検査します
成分表示法
- 名称(カレーなど)
- 原材料(国産なども記入)
- 添加物 「/」の後に記載するというルールもあります
- アレルギー表示(28品目で表示)
- 内容量
- 賞味期限(期限が短いものに対しては消費期限とつけることが多い)
- 保存方法
- 製造者
栄養成分表示
- 熱量
- タンパク質
- 脂質
- 炭水化物
- 食塩相当量
- 計算により出した場合は(計算値)と記載
栄養成分検査依頼書
こちらは保健所への提出ではなく一般社団法人埼玉県食品衛生協会検査センター宛です
こちらで栄養成分表示の検査をしてもらえます
事前に依頼書を提出してから、商品を送ってください
しかし、これがなかなかのお値段
栄養成分表示は一番安いやつで1万うん千円でした
さらに食物繊維の量とか、色々と検査項目を増やせますがお値段も増えます
細菌検査
こちらも同じ試験場で検査してもらえますが、検査場が違う部署なので、別の依頼書が必要となります
細菌量に対して、賞味期限を決める判断にお役立てくださいとのことです
細菌数:10の何乗
と書かれた紙が送られてくるだけなので、いまいちわかりずらい感じはあります
事業再構築補助金
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